サル:その歴史・文化・生態

  • 白水社 (2015年8月26日発売)
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原題:Monkey
著者:Desmond Morris(1928-)
訳者:伊達淳(1971-)
内容:世界各国のサル受容。


【内容説明】
私たちと「似たもの同士」の秘密

『裸のサル』で知られる著者が、満を持してサルを語る! 人類の祖先である動物の興味尽きない生態の秘密と文化の数々。図版多数。人類の遠い祖先が他の哺乳類ではなくサルだったことは、わたしたちにとって幸運だった。ところかまわず駆け回り、騒がしく鳴き、賢く、樹上で生活するこの動物から何百万年もかけて進化してきた人類は、スタート地点ですでに優位にあった。(中略)わたしたちに正しい道を示してくれたのはサルである。わたしたちを樹上から下りてこさせて、月に向かわせ、やがてはさらにその向こうへと導いてくれるはずの道だ。(「序文」より)

人類の祖先たちの過去、現在、そして未来
古代の伝説から近年発見された新種まで、その興味尽きない文化と生態の秘密。『裸のサル』で知られる動物行動学者が、満を持してサル(原猿と類人猿を除く)を語る! 歴史的にも生物学的にも、サルは他のどの動物よりも人間に近しい存在である。ダーウィン以前の西洋では、邪悪で淫らな獣、愚かさの化身として動物寓話などで貶められたが、古代エジプトやインド、東南アジア、南米では神の姿で描かれ、アフリカのある部族の間では魔よけとされる。神としてのサルと生身の動物としてのサルの間で人々が揺れ動き、頭を抱える現代インドの事情は興味深い。著者が得意とする美術や文学の分野にくわえ、現在のサルと我々の関係にも目が向けられる。ココナッツを収穫するサル、人間の代わりに宇宙飛行や室内実験に使われるサル、人間の介添え役をするサルの実情が紹介され、人間がいかにサルたちの恩恵をこうむっているかを痛感する。自然という共通の生息地、あるいは人間の想像力の中で生きるサルを、誤解や偏見を正しながら総合的に扱う本書は、図版や巻末資料も充実。『ラーマーヤナ』や『西遊記』、三猿、森狙仙など、日本を含むアジアへの言及も多い。カラー・モノクロ図版多数。
http://www.hakusuisha.co.jp/book/b208433.html


【目次】
目次 [003]
序文 005

第一章 聖なるサル 008
第二章 部族にとってのサル――神話と迷信 035
第三章 嫌われ者のサル 043
第四章 好色なサル 057
第五章 サルと娯楽 065
第六章 利用されるサル 086
第七章 サルにまつわる表現 102
第八章 サルと芸術家 108
第九章 動物としてのサル 140
第十章 ちょっと変わったサル 152
第十一章 珍しいサル 157
第十二章 新種のサル 161
第十三章 賢いサル 172

年表 [178-180]
訳者あとがき(二〇一五年六月 伊達淳) [181-185]

付録2 英語表現に登場するサル [25-28]
付録1 サルの分類 [13-24]
原注 [10-12]
参考文献 [8-9]
関連団体およびウェブサイト [5-7]
図版の権利について [3-4]
索引 [1-2]

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 48X.動物学
感想投稿日 : 2016年7月18日
本棚登録日 : 2016年7月18日

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