ある日突然逝ってしまった妻との別れは、作者の存在を根底からゆすぶるような衝撃をもたらした。その過程を詳細に描いたドキュメントだ。
上野は様々なマンガの技法をパロディ化して作品を組み立てていく、アプロプリエーションを身上とするギャグ漫画家だが、リアリズムに徹することで孤独感が恐ろしいほどひしひしと伝わってくる。時として慟哭がリアリズムを超えてあふれでて、文字通りのシュールレアリズム的な表現に達している。
作者は現在、次の生活を見出していることも暗示されている。別れにしっかり向かい合い、弔いのプロセスを経ることこそが、次の一歩を踏み出すための近道なのだ。それは同じような境遇の人にも、力強いメッセージとなるのではないか。
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- 感想投稿日 : 2018年10月27日
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- 本棚登録日 : 2018年10月27日
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