老子 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社 (1997年4月10日発売)
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本棚登録 : 599
感想 : 30
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 恋愛のもつれによる殺人、礼儀作法にかかわるパワハラ、しつけと称した児童虐待など、現代社会の混乱は儒教によってもたらされている。事実、仁愛や礼儀作法が声高に喧伝されるということは本来の人のあるべき生き方が失われているからにほかならないし、だからこそ作り物の仁愛や礼儀作法といったものがまかりとおり、私的な制裁が横行することになるのだろう。儒教では人は幸福になれない、老子にこそ幸福になるための手がかりがあると感じた。

 自分を必要以上に売り込まない、余計なことをしない、それでいてここぞというときには勝負する、なるほど投資においても役立ちそうなことが書かれているなと思った。

 現代語訳から始まっているので漢文を読む際も意味をとりながら読むことができるのがよい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年12月17日
読了日 : 2023年12月17日
本棚登録日 : 2023年11月30日

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