有名な「妖怪がヨーロッパに出没する」から始まり、これまた有名な「全世界のプロレタリアート、団結せよ!」で終わるかの有名な「共産主義者宣言」を多分30年ぶりくらいに読んでみた。
この30年くらいの間に、東西冷戦の終結、さまざまな民族紛争、9.11があり、リーマンショックがあった。
というなかで、プラグマティズムの流れを汲むリチャード・ローティが「共産主義宣言は、人類の希望の書である」といったことを書いているのに「へー」と思ったり、ジャック・デリダが、「マルクスの亡霊たち」で、まさに「亡霊=妖怪」をシェークスピアと絡めながら読解しているのに驚いたりして、気になっていた。
あと、この本のタイトルは、「共産党宣言」ではなくて、「共産主義宣言」とすべきではないか、もっというなら、「共産主義」という言葉に既にあるイメージを払拭するため、「コミュニズム宣言」、あるいはさらに進んで「コミューン+イズム・マニフェスト」とすべきでないか、なんて思っていた。そう感じで、本を探してみると、まさに「共産主義者宣言」とタイトルしたこの本を発見。さらに、柄谷行人が解説で、ほとんど同じことを書いていたりして、驚き、購入・読了。
いやー、1848年のマルクスの先見性、まさに今進行していることがしっかり把握されていることへの驚きに満ちた本でした。
いろいろ面白いところがあって、いくつも紹介したいところがあるけど、薄い本なので、読んでみて。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年5月2日
- 読了日 : 2014年5月4日
- 本棚登録日 : 2017年5月2日
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