主人公のOLと彼女に拾われ、チョビと名付けられた猫の日常は、一見するとどこにでもあるような極ありふれたものです。
彼女のことが大好きなチョビは、彼女との暮らしに満足しつつも、母親の再婚や仕事上のミスなどで寂しさや焦りを感じ、少しずつ傷ついていく彼女の心の変化を敏感に感じ取り、その身を案じますが、猫である故にどうすることもできないもどかしさを感じます。
ある日、いよいよ煮詰まった彼女が家を出て行ったときには、その所在を探し当てるという奇跡を起こします。まぁ、この奇跡にはタネがあったのだけれども(笑)
あまり多くを語らず、静かに綴られる彼女と猫の物語に好感を覚え、さすが新海誠の作品だと感じました。『君の名は。』はいろんな情報をこれでもかと盛り込んだ作品だと本人がインタビューで答えていましたが、逆にこれは、引き算の作品のような気がします。
猫が起こす奇跡ということで、個人的にはちょっと「通い猫アルフィーの奇跡」を彷彿させました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
コミック
- 感想投稿日 : 2016年10月10日
- 読了日 : 2016年10月6日
- 本棚登録日 : 2016年10月6日
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