明月記は、平安から鎌倉初期、歴史の中でも激動の時代に生きた新古今和歌集選者の藤原定家の19歳から48歳までの日記だ。49歳以降は続編とのこと。
この本は「私抄」と付いているように、まるで堀田善衛氏の講義を読んでいるよう。
原文も所々入れてある。(漢文なので、難しい)
後鳥羽院の乱痴気ぶりは酷い。天皇制は崩壊していたとは言え酷すぎ。
芸術センスもあり、何をやっても上手だったみたいなので、もっとまともであったら、承久の乱も違った結末になったかも。
朝廷を度々フランス革命前の王族と比較していて、ほんと、納得。
読む前は、昇進に躍起になったり、貧乏を嘆いたり、どの派閥についたら良いか迷ったりしている、せせこましい人のように思っていた定家。
けれど、それは日記に思いのたけを思いっ切り書いただけで、実際会ってみたら魅力的な人だったろうと思う。
絶対モテ男だし。和歌が巧だったんだから。
定家も彼の父親(俊成)も20人以上子供がいたのにはびっくりだけど。
明月記だけでなく、他の日記も引用しているので書いてある内容がより分かりやすくなっている。
それにしても日本人て、書くこと、読む事が好きな人種。
この時代に書かれた書物を千年後も読める幸せ。
後ろの年表をそれぞれ章の始めにちょこっと挟んでもらいたかったのと、作者の感想とか主観より、日記の内容をもっと多く知りたかったので星3つ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
古典
- 感想投稿日 : 2019年8月17日
- 読了日 : 2019年8月17日
- 本棚登録日 : 2019年8月3日
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