5話から成る連作短編集。
カテゴリは迷った末ファンタジーにしちゃったんだけど
実際に使者がいても違和感がないくらいのリアルさがある。
人間ってホントにひとりひとり違うんだなぁ、と思わされた最初の4編。
救われたねぇ、よかったねぇと胸を撫で下ろす結末が殆どの中にあって
ひとつだけ哀しかったのが『親友の心得』。
最終章を読むと何故そういう結末になったのか判るんだけど
それでもやっぱりこの結末は双方にとって酷だなと。
どっちが悪い、という話では無いので尚更。
4話までで終わっても特に問題はないのかもしれないけど
最後の『使者の心得』で縺れて絡まった糸が解けたような気がした。
後の章に行くに従って使者の印象に直接かかわる描写が増えていき
最終章に使者の視点を持ってくることで
それまでの4編の印象を補完してくれているような感覚だった。
安堵感も、遣り切れない思いも。
巧いな、というか、まんまとしてやられた、というか(爆)。
以前『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』を読んだときは
個人的にはあまりにも生々しくてキツイ思いをしたものだが
今回はいろんな人の視点があることで安心して読めた。
ファンタジーだったのもよかったかも。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ファンタジー
- 感想投稿日 : 2013年4月28日
- 読了日 : 2013年4月28日
- 本棚登録日 : 2013年4月28日
みんなの感想をみる