平台がおまちかね (創元クライム・クラブ)

著者 :
  • 東京創元社 (2008年6月1日発売)
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本棚登録 : 1013
感想 : 238
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なんだか最近同じような設定、同じような印象の本が続いてる気がする…。
狙ってるつもりは全くないのだが。

書店に関わる職業といえど、書店員ではなく出版社の営業担当。
本を売るにあたってあまり光が当たらない仕事内容を垣間見られるのに加えて
主人公の井辻くんがこれまた杉下右京張り(笑)の洞察力を発揮し、
事件といえるトラブルから、小さいけれど当事者にとっては深刻な謎まで
自信なさげに控えめに(爆)解決していくのが読みどころ。
右京さん、『ビブリア古書堂』の栞子さん、『サンドリヨン』の酉乃さん、そして井辻くん。
この類い稀なる洞察力を備えた面々の共通項は何か、と考えたところ
並外れた観察力と、人の話に真摯に耳を傾ける傾聴の姿勢と、
事象に対する探求心と想像力を少なからず持ってるということに行きついた。
そして、この種の洞察力を備えているということは
そもそも人間関係を築くことにおいて外せない要素。
そういうことを鑑みると、今は頼りないかもしれない井辻くんも
将来間違いなく優秀な営業マンに育つに違いない。

『ときめきのポップスター』で真柴さんの謎がちょっとだけ解けたが
吉野さんとか秋沢さんとかまだまだ謎めいた人たちがいっぱい。
続きを読むのが楽しみである。
余談だが真柴さん、井辻くんを『ひつじくん』と呼ぶのはやめてあげていただきたい。
そもそも人の名前を間違えて呼ぶのは失礼だろう。
とついつい余計なところが気になったりムカついたりするのがあたしの悪い癖(爆)。

カテゴリは迷った末『お仕事小説』にした。
謎解きはあるけど、読後感が殺伐としてないところがいい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: お仕事小説
感想投稿日 : 2013年3月13日
読了日 : 2013年3月13日
本棚登録日 : 2013年3月13日

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