散り椿 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年12月25日発売)
4.12
  • (89)
  • (128)
  • (44)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 1047
感想 : 103
5

これは素晴らしい!
心揺さぶられました!
映画も見たい!!

背景はお家騒動ですが、その中で描かれる男同士の友情、一人の女性。その時代を生きる人たちの清々しく、誠実な生き様。切なく心打たれます。

ストーリとしては、
かつて一刀流道場の四天王と謳われた勘定方の瓜生新兵衛は、上役の不正を訴え藩を追われます。18年後、妻・篠と死に別れて帰藩した新兵衛が目の当りにしたのは、藩主台替わりに伴う側用人と家老の対立と藩内に隠された秘密といった展開です。

篠の最期の願いを叶えるため、一人故郷に戻ってきた新兵衛。そして、その旧友采女との決着。
過去の事件の真相は?
藩内に隠された秘密とは?
そして、篠の願いの奥に秘めた本当の想いに心揺さぶられます。

また、新兵衛の帰藩に伴い、大きく影響を受けるのが、新兵衛の甥の坂下藤吾。
藤吾の父・源之進は使途不明金を糾問され、無実を主張したものの聞き入れられず自害することに。結果、家録を減らされ、藤吾はその家録を取り戻すべく、出世しようと励んでいます。
新兵衛の振る舞い、生き方が、藤吾の生き方に大きく影響を与え、藤吾が成長していく様を感じます。

「散る椿は残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるもの」

切なく、そして強い

とってもお勧め。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2019年6月8日
読了日 : 2019年6月8日
本棚登録日 : 2019年6月8日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする