145gの孤独 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2009年9月20日発売)
3.22
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本棚登録 : 714
感想 : 67
3

短編連作?と思いきや、これは、全体で一つの長編ストーリ。
ハードボイルドミステリとなっていますが、主人公倉沢の軽口に辟易します。かなり残念。
とはいうものの、この主人公の人を見る目がきれっきれ!なんじゃこのギャップ(笑)
元プロ野球選手ですよ(笑)

ピッチャーだった倉沢は試合中のバッター頭への死球事故で現役を引退。便利屋を始めます。
その仕事内容は「付き添いや」
息子のサッカーの試合に付き添ってほしいという依頼
フィリピンに帰る女性を成田まで送り届けてほしいという依頼
泊りがけで本棚を整理してほしいという依頼
などなど、変な依頼が舞い込みますが、その真相をズバリと読み取る倉沢の人の見方がすごい!
そして、それぞれの依頼を通して、倉沢の一人の人間としての再生の物語でもあります。

冒頭コメントしたとおり、ハードボイルド意識しすぎているのか、挫折した人物感を表そうとしているのか、孤独感を表そうとしているのか、その軽口にはうんざり。

しかし、最後の依頼(事故)を通して、倉沢は再生していくと思われます。そこが救いかな。

145グラムは公式球の重さでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2023年11月26日
読了日 : 2023年11月26日
本棚登録日 : 2023年11月26日

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