面白かった。
これを歴史小説として評価してはいけません。
直江兼続を生き様を通じたビジネスマン向けの物語。
すなわち、リーダとしてではなく、フォローワーとして何を行うか、どう考えるかを伝えているものと感じました。
童門冬二の「全一冊 小説 上杉鷹山」はリーダとしてのメッセージを、これはフォローワーとしてのメッセージを感じます。
本書では、ところどころで、現代での解説が入ったり、話が脱線したりで、ある意味わかりやすく、読みやすい物語となっています。なので、この小説を通して、関が原前後、戦国の動乱期の歴史を理解することができます。
歴史初心者にはぴったり(笑)
兼続と景勝の主従関係や、豊臣秀吉や三成との関係など、いろいろ勉強になりました。
また、兼続の奥さんであるお船との掛け合いも面白いところ。とてもできた奥さんです。
さらに、本書の副題でもある「北の王国」への野望。
戦国の動乱期を上杉家が何を思い、どう動いてきたのかがわかります。
さて、本書で語られている兼続のエピソードで、一番のメッセージは「過去を振り返らない」ということ。
なぜこうなったかを考えるのではなく、この状況をどうやって突破するか。
これは、やはり現在のビジネスマンにも必須なメッセージと思います。
しかしながら、過去も振り返らないと失敗を繰り返してしまうので、そういうところは要注意(笑)
ということで、本書はお勧め
特に新潟県人には必読の書といえるでしょう!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説
- 感想投稿日 : 2017年9月9日
- 読了日 : 2017年9月9日
- 本棚登録日 : 2017年9月9日
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