全一冊 小説 直江兼続 北の王国 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (1999年8月20日発売)
3.67
  • (57)
  • (80)
  • (104)
  • (12)
  • (5)
本棚登録 : 539
感想 : 81
4

面白かった。
これを歴史小説として評価してはいけません。
直江兼続を生き様を通じたビジネスマン向けの物語。
すなわち、リーダとしてではなく、フォローワーとして何を行うか、どう考えるかを伝えているものと感じました。

童門冬二の「全一冊 小説 上杉鷹山」はリーダとしてのメッセージを、これはフォローワーとしてのメッセージを感じます。

本書では、ところどころで、現代での解説が入ったり、話が脱線したりで、ある意味わかりやすく、読みやすい物語となっています。なので、この小説を通して、関が原前後、戦国の動乱期の歴史を理解することができます。
歴史初心者にはぴったり(笑)
兼続と景勝の主従関係や、豊臣秀吉や三成との関係など、いろいろ勉強になりました。
また、兼続の奥さんであるお船との掛け合いも面白いところ。とてもできた奥さんです。
さらに、本書の副題でもある「北の王国」への野望。
戦国の動乱期を上杉家が何を思い、どう動いてきたのかがわかります。

さて、本書で語られている兼続のエピソードで、一番のメッセージは「過去を振り返らない」ということ。
なぜこうなったかを考えるのではなく、この状況をどうやって突破するか。
これは、やはり現在のビジネスマンにも必須なメッセージと思います。
しかしながら、過去も振り返らないと失敗を繰り返してしまうので、そういうところは要注意(笑)

ということで、本書はお勧め
特に新潟県人には必読の書といえるでしょう!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2017年9月9日
読了日 : 2017年9月9日
本棚登録日 : 2017年9月9日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする