卒業 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2006年11月28日発売)
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感想 : 400
4

じーんと胸打つ物語
4編の短編小説です

■まゆみのマーチ
母親の臨終の間際に再開した兄と妹。
母親はずーと妹を甘やかしていた。
小学校で自由奔放にしていた妹。授業中でも歌を歌ってしまう妹。一方で、優等生だった兄。
しかし、いま、自分の息子は登校できない状態に。
そんなとき、まゆみのマーチといわれるその歌詞が驚愕。
ジーンときます。

■あおげば尊し
ガン末期を自宅で過ごす父親。
父親は教え子からも嫌われる教師だった。
自らも教師となり、小学生を教える立場に。
その生徒たちに「死」を教えようと、父親の現場を見せることに。
「死」について考えさせらえます。
そして、出棺に流れるあおげば尊し
これまたジーンときます。

■卒業
これ、学校の卒業と思いきや違ってました(笑)
14年前に自殺した親友の娘が突然訪ねてきます。
そして、死をめぐる彼女の悩み
そんな彼女のために、過去の思い出をつづります。
乗り越える。それが卒業

■追伸
育ての母を認められないず大人になった主人公。
わだかまりがずーっと続きます。
不器用な二人はどうなるのか
そんな大みそかの夜
といった展開

この4作の中では、まゆみのマーチにやられた!

とてもお勧め

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年5月2日
読了日 : 2021年5月2日
本棚登録日 : 2021年5月2日

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