作中常に漂う閉塞感、倦怠感、息苦しさ。とてつもなく気怠い空気がまとわりついてくる。
加えて、ポン太が作り出す得も言われぬ奇妙で妖しいムード。
アッと驚く何かが起こるでもない淡々とした進行なのだがページを捲る手が止まらない。まじないにでも罹ったように摩訶不思議な読み心地。
御一新により、これまでの価値観・常識が覆った事でわかりやすく無気力に陥った定九郎の白けた様子がなんだかまるで現代人っぽくておかしくも共感出来る部分がある。
癖になるなあ。
1刷
2022.4.5
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年4月5日
- 読了日 : 2016年12月29日
- 本棚登録日 : 2022年4月3日
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