漂流街 (徳間文庫 は 26-1)

著者 :
  • 徳間書店 (2000年9月1日発売)
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本棚登録 : 449
感想 : 37
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日系ブラジル人の主人公マーリオ。
時はアトランタ五輪。

日本から夢を見てブラジルへ渡った移民一世の祖父を殴り倒し、弟を殺し、三世は夢を見て日本へ渡った。

たどり着いた現実は油まみれの自動車工場での安い賃金、過酷な労働。
気付けばヤクザの下請けのデリヘルのドライバー。

800ページ近い超長編。
読み応えは十二分だ。

日系移民の苦労が焦点に描かれるわけではないが、そのアイデンティティの不明瞭さや不透明な差別による、じわじわとした怒りや憎悪が滲み出る。

馳作品の最後はどれも救い用がないのだが、その過程に見える微かな一縷の望みがなんとも儚い。

死の間際に見える本当に欲しかったものが、ほんの一瞬、垣間見える...

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年12月31日
読了日 : 2022年12月31日
本棚登録日 : 2022年12月31日

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