武士道エイティーン (文春文庫 ほ 15-4)

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年2月10日発売)
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感想 : 387
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武士道シリーズ3作目
とうとう高校3年生
お互いに今いる高校で全国で戦う意思を固めてという展開は胸熱
さらに吉野先生の行動もそれを受け入れる小柴先生もいいな
いや、マジでやってることは少年マンガだよな~

ただ、前作までは早苗の方が主人公っぽいと思ってたけど、やはり香織も今作では王道的な主人公に見えてくる
まぁあれだ、早苗は現代的なスポーツマンガの主人公で、香織は昔の熱血スポ根漫画の主人公ってことだな
その両方が成り立っているところが凄いと思う


あと、二人の視点以外にも緑子、玄明先生、吉野先生、美緒視点のお話も追加

玄明先生の短編はかなりよい
なぜ桐谷が「キリタニ」ではなく「キリヤ」と読むのかが明かされたところは思わず目を見開いてしまった
なるほどねぇ、キリヤねぇ……
あと、途中で出てきた少年は「吉野先生じゃね?」と思ったら吉野先生パートでその詳細が明かされて納得

やはりこのシリーズ、剣道を「制する」「おさめる」手段として捉えているんだね
で、その成り立ちや現代での用法を含めて「武士道とは?」を描いていると

早苗とレナの決闘、香織の不良との対決、桐谷家の稽古の仕方、吉野先生の過去の事件、桐谷先生と吉野先生の交わり
現代の剣道というスポーツとは明らかに一線を画すものが根底にある


解説の有川浩もよかった
「頭かち割ってでも取り出しに行く」という文章が有川さんっぽい(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年6月6日
読了日 : 2019年5月29日
本棚登録日 : 2019年6月6日

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