以前1/3くらいで挫折。今回も1年くらいかかった。これまでのいきさつと作者の現状の説明と故郷の歴史とのない交ぜと、大江独特の硬質な文体に慣れるまでの「第一の手紙」が一番の難所。大きな歴史としての時間、家族の昔とその後、双子である主人公と妹の目を通して"現在"として移動する時間、と複層的な構造を往還しながら着地点がわからないまま運ばれていく。小説何個分にもなりそうな登場人物やプロットがたいして掘り下げられもせず惜しげもなく投入される。なんか"けり"もつかないまま放り出されて終わるのも凄い。とにかく圧倒的。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2024年2月2日
- 読了日 : 2024年2月2日
- 本棚登録日 : 2024年2月2日
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