読み始めから長崎の五島列島で乳飲み子をかかえて
福岡にいって連絡が取れなくなった旦那を心配する女の子が
出て来て、この旦那はきっと二人を捨てて逃げちゃったんじゃ
ないのかなって暗い物語なのかと心配して読み始めた。
ところが女の子美月が福岡、東京、歌舞伎町と旦那を探して
移動して、その後数々の出会いがあり、物語の視点も
美月、美月に声をかけてくれた純平、世界的チェリストの湊、
湊の秘書の夕子さん、湊の祖母、などなどころころと
かわり、場面展開も見事で、あっという間に読んでしまった。
最初のひき逃げ事件からひいた方も目撃して脅迫したほうも
破滅に向かっていくのかしらと心配して読んでいたのも
杞憂で、両方の当事者が絡まりあい、最後には選挙戦で勝負って
いう読んでない人にはなんなのかわからない展開で面白かった。
純平が横道世之介にかぶる人柄でひょうひょうとしてて憎めなくて
この人ならよい人生を歩むんだろうっていう確信みたいなものも
あり安心して読み進められた。
最後の殺し屋とか殺傷事件とかはちょっと劇的にするためにわざと
投入した余計なスパイスのような気がしないでもないけど
ドラマ的小説としては読者が次はどうなるのかって興味をもって
どんどんページをめくるのが目的だろうからその目的は達せられた
小説だったと思う。読みかえしはしないけど、楽しい読書だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
図書館
- 感想投稿日 : 2013年1月24日
- 読了日 : 2013年1月24日
- 本棚登録日 : 2013年1月24日
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