食べると悪いことが起こるまえの状態に戻れるという「月のケーキ」、娘の話す物語を商売に利用する父親「バームキンがいちばん!」、おばあちゃんが残したオウムのフォッズの言葉で次から次へと形見の品にお湯をかける「オユをかけよう」など13話の短い童話集。
なかでも「バームキンがいちばん!」の女の子アンナの意表を突いた発想は楽しい。
スズメがバスの乗車券をくわえて飛んでいくのを見送り、「スズメはバスに乗りにいくところだったのかな」とか、男の人が手押し車に長靴をのせて押していくのをながめて「長靴は、手押し車にのせてもらわなきゃならないくらい疲れてたの?」と思いを巡らすシーンや、バームキンについて「どこにいるかによるかな。 石は、道にあるときはいいものだけど、靴の中に入るといやなものになるでしょ。 アイスクリームは手に持っているといいけど、手の甲に垂れたらいやだし、木は外にあればいいけど、お風呂場に生えたらいやでしょ」 と話すシーンには頷かされる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
童話
- 感想投稿日 : 2022年4月7日
- 読了日 : 2023年1月26日
- 本棚登録日 : 2022年3月31日
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