ひととの距離を掴めないひとたち。
光子の場合には歪んだ自己愛を見せる。
P.103『異性の人に崇拝しられるより同性の人に崇拝しられる時が、自分は一番誇り感じる』
人格の異常(personality disorder)に魅力を感じるということは往々にして実存しうる。
人格、認知や行動に一貫した偏りがあったり、他者操作性があるようなひとを魅力的であると感じるのは別段おかしなことではない。
そして、この物語では光子という歪んだ自己愛に魅入られてしまったひとたち。
中盤以降、どうもおかしな方向へ話しが傾いてしまい、猜疑心或いは嫉妬によって操作されていく。
冷静で客観的な思考、現実を吟味する力が弱まり、渦中にいるひとすべてが身動きがとれなくなる。
まるで卍のように。
彼女たちの関係がいよいよ決定的ににっちもさっちもいかなくなった時、読み手は思わずこう呟くことになる。
マジ卍。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年7月31日
- 読了日 : 2020年7月30日
- 本棚登録日 : 2020年7月24日
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