はじめての構造主義 (講談社現代新書)

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  • 講談社 (1988年5月18日発売)
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基本的にはレヴィ・ストロースを説明することで構造主義を開設している。レヴィ・ストロースの悩みは人類学を機能主義的にすべて説明することが不可能だったこと。そこからソシュール(を学んだヤーコブソン)、モース、数学における構造主義からヒントを得て研究をした。
ソシュール言語学は「言語は差異のシステム」であり、そのため言語は恣意的であると言う。シニフィアンとシニフィエは恣意的に結びつけられているが、結びつきを解かれたとたんにどちらもなくなる。
モースはクラ交換を取り上げて「価値があるから交換する」のではなく、「交換するから価値がある」という発想の逆転を行った。この2人からレヴィ・ストロースは親族の基本構造の着想を得る。
さらに遠近法→射影幾何学→形式主義→<構造>と発展してきた数学から「神話素の置換群を調べることで神話の構造が見える」ということを発見?する。
又、ユークリッド幾何学の相対化などから、数学における真理が「制度」でしかなくなる。構造主義も同様にヨーロッパの知が相対的なものでしかないことを証明することになる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2011年1月23日
読了日 : 2011年1月22日
本棚登録日 : 2011年1月23日

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