私が中高生の頃、まだ単行本「審判の日」だった頃に一度読んだ。たまたま改題した文庫版を見掛けて購入。
当時はSFというと宇宙船や波動砲が飛び交う戦記ものばかりだというイメージを持っていたので、表題作「闇に落ちる前に、…」に大きな衝撃を受けた覚えがある。こんなSFもあるんだ、と。
SFにホラーに怪奇にと様々なテイストの短編が収録されていますが、どの作品もとにかく読後感が好きだ。
いずれの作品も"一歩手前"で描写を終えている。
連絡を待ったまま主人公は、世界はどうなったのか。いつまで少女は踊り続けるのか。ゆうなはどこへ行き、何になるのか。刑事のその後の人生は。二人の最後は。
勿論十分に示唆されているのだが、明言されないということは読者にとっては真に確定されていない訳で。
お陰で、私の頭の中には祈るような気持ちで連絡を待ち続ける表題作の主人公が呪いのように今も居座り続けている。
読書状況:読み終わった
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本
- 感想投稿日 : 2019年12月27日
- 読了日 : 2019年11月16日
- 本棚登録日 : 2019年11月16日
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