震災トラウマと復興ストレス (岩波ブックレット)

著者 :
  • 岩波書店 (2011年8月11日発売)
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本棚登録 : 111
感想 : 19
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本書で出てくる「環状島モデル」は、たとえば被害者や支援者等、様々な存在、そしてそれらの関係性を素描しイメージするのにとてもわかりやすく、秀逸だと思った。一元的には語れない「被害」や、「こころの傷」についてどう考え、これからどんなことが必要になったり、困難があらわれるかといったことを考えるための手助けになる。
・・・
「被災者、あるいは支援者はかくあるべき」という風に、想定されてるイメージに押し込められることを拒否する人だって必ずいるだろうし、そうできなくて辛い思いをする人もいる。そういった細かな部分を見ずにただひたすら「復興」へと向かうことは、小さな傷や痛みを無視した、一部分、あるいは「多数派」の傲慢や暴力になると思う。
この本には、そうならないための「復興」への道のりをつくるためのヒントがあったと思う。
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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ケア
感想投稿日 : 2012年3月12日
読了日 : 2012年2月24日
本棚登録日 : 2012年2月18日

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コメント 1件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2013/07/04

「道のりをつくるためのヒントがあったと思う。」
目配りが素晴しかった。
しかし宮地尚子の本は重いので、連続して読めないし、読むのもジックリゆっくりになってします。

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