私生児を産んだ女への懲罰をゲーテが廃止したのは、この時代にパラダイムシフトがあったのでしょうか。優れた物語はいつも、転換点前夜のまどろみを描きます。だからグレートヒェンは我が子を殺して破滅するのですが、それに比べて、ファウストの苦悩や悔恨は口先ばかり。まるで、生き延びてしまった老人はこうやって世間を眺めているんだよと言わんばかりの冷たい表情で、死んだ友人たちを呼び起こして追憶を始める。
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- 感想投稿日 : 2017年7月11日
- 読了日 : 2017年7月10日
- 本棚登録日 : 2017年7月10日
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