いくつかの太陽 グラスハート(5) (グラスハートシリーズ)

著者 :
  • 集英社 (1999年4月27日発売)
3.88
  • (47)
  • (25)
  • (63)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 230
感想 : 12
4

筆者自身、複数で音楽を創ることに携わっているので、バンドをやったことがないにも関わらず「ああ、これわかる」という「阿吽の呼吸」というものがある。以心伝心、目で語る。やはり音は「全て」を語る。言葉では伝わらないことが伝わる。しかしそれが言語化できず、人はただ「感動した」という安易なキャッチフレーズに陥りがちなのだが。
この作品は、「感動した」という言葉を用いず、かといって「どのように感動したか」という描写のみにならず、その一歩手前で「音を創ることで何を感じたか」を延々と語る物語と言ってもいい。
そこには、恋愛・衝突・和解・誇示などの青春の要素てんこもりだ。
音を創る人間は、必ず「太陽」でなければならない。その太陽の光が融け合った時、その何倍もの強い光を発することができるのである。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2004年11月7日
本棚登録日 : 2004年11月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする