佐藤多佳子さんのデビュー作。こんな素敵な作品でデビューしたら、後々名作をたくさん手がけていることに納得しかない。
進、広一、佳奈の3人を中心とした、夏の物語。
話ごとに話者は変わり、それぞれの考えとか、性格がよくわかる。
物凄く大きい出来事がある訳ではないけれど、緩急もあって続きを読む手が止まらない。
しばらく置いて、また読みたくなる作品だと思う。
ホワイト・ピアノは、佳奈のわがままな振る舞いや言動が佳奈目線で描かれていて、佐藤さんのキャラの立て方がすごく上手いと感じた。
広一は事故で左腕をなくし、右手だけで生活している。ピアノを弾けなくなったということ以外には、あまり悲観的に考えていない。その姿勢はクールでもあり、人にうまく甘えられないという苦しさもある。
広一の母友子がジャズピアニストということで、随所に音楽要素があり、お洒落な雰囲気を出している。(音楽的知識がなくても十分楽しめます!)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年5月12日
- 読了日 : 2023年5月11日
- 本棚登録日 : 2023年5月11日
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