猛烈に面白かった!!
構成がずば抜けていて、
ひとつの事件から始まり、
人物を掘り下げていくように見えて、
語り手からの視点があることで、
現実の出来事ではなく、
語り手の知り得たことと想像と、
多くの投影と心的現実で語られるからこその、
真実はなにかというサスペンスにも見えるが、
物語は過去と現在とその先へと、
縦横無尽に駆け抜け、
これが一体誰が主体の話なのかがわからなくなり、
そして振り出しに戻り、
そこから少しだけ先に進んで終わる。
登場人物たちのキャラクターが濃密で、
そして互いの関係性も複雑で、
誰を欠いても、何を欠いても、
そしてそれぞれを執拗に書いても、
不完全なのだ。
それなのになお非常に映画的というか視覚的なのが、
本のタイトルが決められる瞬間。
どーーんっと現れたタイトルバックのように、
重厚すぎてため息が出た。
あー、すんごくドラマチックで、
とにかく面白かった!!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ポール・オースター
- 感想投稿日 : 2021年3月21日
- 読了日 : 2021年3月21日
- 本棚登録日 : 2021年3月21日
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