沈黙する女たち (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎 (2017年10月6日発売)
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本棚登録 : 199
感想 : 17
3

「重犯罪取材班・早乙女綾香」シリーズ、2作目。

この作者さんの作品は、他のシリーズも含めて、プロットがきっちり作られており、事件の構造そのものに無理がなく、文章が読みやすい。なので、どのシリーズも好みで読み続けているのだけれど、このシリーズだけはちょっと苦手かも。前作でも思ったが、主人公の立場がまず報道側の人間であることが大きい。報道側の大義名分も分かるし、本作でも随分と気を遣って描かれているのは分かるのだけれど、それでもマスコミの利己的な部分が見え隠れして不快感を覚えてしまう。その上、クソ真面目な綾香のキャラが一層イライラ感を増幅させる。新しく加わった久我の方が、傲慢ではあるがまだ好感が持てるのが救いかもしれない。恐らく今後のシリーズにも影響してくるであろう「死体美術館」の管理人の正体など、気になる点はいくつも残されているものの、主人公のキャラに魅力をもてないのはなかなかに致命的。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 麻見和史
感想投稿日 : 2018年9月25日
読了日 : 2018年9月25日
本棚登録日 : 2018年9月25日

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