ヘッセと言えば、みんなも大好きな、あの教科書に載っていた究極の名セリフ
「そうか、つまり君はそんなやつなんだな。」
これ↑しか読んだことなかったのですが、気が向いたので「シッダルタ」を読んでみた。
シッダルタ、って音、いいですね。
なぜか、澄んだ瞳の青年が木陰で静かに佇む姿が目に浮かびます。
そういうイメージのある名前。
しかし、私はタイトルからシャカのバイオグラフィを想像していたのに、全然違っていて、時代設定はそのあたりなんだけれど、解説にも書いてあったとおり、ヘッセ版「ツァラトゥストラ」という感じの本でした。
おもしろかったし、たくさんのハっとさせられる叡智に満ちた言葉でいっぱいだったけど、でもストーリーそのものは単純というか、筋が読めてしまいます。
ただ、20世紀初めの西洋人がこれを書いたというのはやっぱり驚くなぁ。東洋的な描写に全然違和感がない。
ほほぅ、と思う文章がいっぱいあったけど、やっぱり
「そうか、つまり君はそんなやつなんだな。」
の究極性には負けます。
いや、このせりふ、ほんと刺されますよね。ひと突きで。
蝶(蛾?)のもつ神秘的なイメージ、静かな羽ばたきの印象とあいまって、なんか、もうたまらんです。
今確認したら中学校の教科書なんだ。高校じゃなくて。ビックリ。
大人だけでなく、中学生ですら刺されるセリフ。
天才ですね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説(海外)
- 感想投稿日 : 2023年8月11日
- 読了日 : 2023年8月11日
- 本棚登録日 : 2023年8月11日
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