六篇の短編からなる連作短編集。
読む順番によって物語が変わるという作品。
自然数=Nとすると、パターンの数はその階乗でつまりNが六の場合は六×五×四×三×二×一で七百二十通りの読み方ができるというものです。
私はよくわからないので、前から順番通りに読みました。
一編ずつ互い違いに上下逆さまに組み合わされている何とも不思議な作りの本。
何か必然性があったのでしょうか。
世界を広げるということなのかな。
登場人物の一人とか二人が、また違う作品に同じ役柄で再登場して巡り巡っています。
全体的にミステリーというより純文学のような雰囲気があったように思います。
特に「笑わない少女の死」「消えない硝子の星」。
事件がどういう数奇なものだったかというより、その事件が起きたときの人物の気持ちに重点をおいているように感じました。
その中で「飛べない雄蜂の嘘」は、ちょっと昭和の匂いがして今は亡き作家連城三紀彦さんの『戻り川心中』を何だか連想したと言ったら褒めすぎでしょうか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年10月26日
- 読了日 : 2021年10月26日
- 本棚登録日 : 2021年9月28日
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