俵万智さんの子育て歌集。
一つ一つの歌にその歌ができた背景がエッセイとして書かれています。
この歌集を読むと俵万智さんのとてもいいお母さんぶりがうかがえます。
その例として、歌はありませんが「あとがき」からお母さんぶりを引用します。
(前略)
「もしかしたら、幼稚園のお友だちとは、だんだん会わなくなるかもしれないけど、お友だちだったことは消えないんだよ。お別れするのが寂しいような、いいお友だちに会えて、よかったね。会えたことの積み重ねの上に、今の自分も、これからの自分もいるんだよ」
そんなことを、ゆっくり話してやると、息子は涙をぽろぽろこぼしていた。はじまったばかりの人生で、これが初めての、意識する「別れ」なのだなあと思う。
(後略)
特に気に入った歌を以下に載せます。
○たんぽぽの綿毛を吹いて見せてやるいつかおまえも飛んでゆくから
○自分の時間ほしくないかと問われれば自分の時間をこの子と過ごす
○あの赤い花がつつじでこの白い花もつつじと呼べる不思議さ
○みどりごと散歩をすれば人が木が光が話しかけてくるなり
○ぶらんこにうす青き風見ておりぬ風と呼ばねば見えぬ何かを
○ぼくの見た海は青くなかったと折り紙の青持ちて言うなり
○子の声で神の言葉を聞く夕べ「すべてのことに感謝しなさい」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歌集
- 感想投稿日 : 2023年10月2日
- 読了日 : 2023年10月2日
- 本棚登録日 : 2023年5月7日
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コメント 2件
riyumomさんのコメント
2023/10/02
まことさんのコメント
2023/10/02