二重らせんのスイッチ

著者 :
  • 祥伝社 (2022年4月14日発売)
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感想 : 91
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どこまで書いたらネタバレで、どこまでなら許容範囲か迷うところですのでネタバレで書きます。
中盤までのストーリーを書きますので、これから、読まれる方はお気をつけください。



桐谷雅樹26歳は大手生命保険会社のシステムエンジニアです。
ある日突然警視庁からきた男たちに、防犯カメラに強盗殺人の凶器を購入するところと、強盗殺人のあった家の防犯カメラに映っていたという理由、またDNAが凶器から検出されたという理由で逮捕され留置場に入れられます。

しかし、その時間の雅樹ののアリバイがいきつけのカフェで証明され釈放されます。
雅樹は会社に不起訴が確定するまで来ないようにいわれ人生が暗転します。

そこで、雅樹は実家に帰り両親に「生き別れた双子の弟がいなかったか」尋ねますが、両親は即座にいないと答えます。不審に思い雅樹は戸籍謄本を調べると、アメリカ合衆国に国際養子に出された基樹(ジェイク)という二男がいたことを突き止めます。

そして突然、雅樹のところへ、ジェイクと元米軍兵士のナガノと名乗る男が現れ拉致されてしまいます。
ジェイクはGret Plan「大いなる計画」を実行するのだと言い、雅樹に1カ月間協力して自分に日本語を教えれば、解放すると言います。
基樹はアメリカで養父母が離婚して、新しい家族の厄介者とされ日本という国に復讐するのだと言います。

1カ月間日本語を教えながら過ごすうちにジェイクと雅樹の間にはやはり双子の兄弟としか思えない親近感が沸いてきます。
そして、ナガノは最初からジェイクを騙していたことがわかり、奪った2千万円を持って逃亡しようとするのを基樹と雅樹は追いかけますが…。



自分の生き別れた双子の兄弟を探すのに自分で犯罪を起こして逮捕させるというのは凄い発想だと思いました。
後半明らかになる両親の釈明も大変納得のいくものでよかったです。
伏線回収もお見事でした。
双子の兄弟というものにはやはり普通の兄弟以上のシンパシーがあるのだなと思いました。
後半は気持ちがほっこりするミステリーでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年5月10日
読了日 : 2022年5月10日
本棚登録日 : 2022年4月7日

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