サイレンと犀 (新鋭短歌シリーズ16)

著者 :
  • 書肆侃侃房 (2014年12月15日発売)
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本棚登録 : 789
感想 : 40
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X(旧Twitter)でよくイラストとともに一首ずつ流れているのが「なごむなあ」と思い衝動買いした一冊。

これを読んだ日は、ちょっと疲れていて、何も読みたくなかったけれど手持無沙汰だったので、この歌集なら読めるかもと思い手に取りました。

拝読してみるとなごむ歌ばかりではなかったのですが、疲れていても読める範囲内でした。
イラストの無垢な感じも手伝ってくれているのかもしれません。
軽妙に飄々と詠まれている感じですが、泣ける歌もありました。




<散髪の帰りの道で会う風が風のなかではいちばん好きだ>

<ともだちはみんな雑巾ぼくだけが父の肌着で窓を拭いてる>

<ゴッホでもミレーでもない僕がいて蒔きたい種を探す夕暮れ>

<ポケットの硬貨2枚をネクターに変えて五月の風のなか飲む>

<本棚のむこうでアンネ・フランクが焦がれたような今日の青空>

<マーガレットとマーガレットに似た白い花をあるだけ全部ください>

<もう声は思い出せない でも確か 誕生日はたしか昨日だったね>

<もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい>

<実行犯が億人組でそのうちのひとりが僕である可能性>

<あかねさすIKEAへゆこうふたりして家具を棺のように運ぼう>

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歌集
感想投稿日 : 2024年1月8日
読了日 : 2024年1月8日
本棚登録日 : 2023年12月22日

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