リング (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (1993年4月30日発売)
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本棚登録 : 3635
感想 : 389
5

ホラーというよりミステリー。
それも最高峰の。
誰かが私にこう言った、ヒロイックでパセティックでロマンチック。

98年の映画のヒットにより、
良くも悪くも記号化されてしまった「貞子」。
ちなみに原作には髪を振り乱してテレビから出てくる、というようなシーンはない。
個人的には原作に忠実な95年のドラマ版をおすすめしたい。貞子も美人だし。エクソシスト化しないし。

これは貞子という美少女の切ない半生を辿る物語である。
しかし、「呪いのビデオ」なんちゅーめっさ迷惑なえげつないもんが生まれたのはなんでやねん?
という事にも一応納得のいく理由があって、「呪怨」みたいな理不尽なものと一緒にされては困るわけである。
(後に映画で対決?させられてたけどもね。注:私は勿論観ていない。)

で、そのビデオを観てしまう浅川と高山(変人)という二人の男性。
で、まぁ「おれら7日後に死ぬやんけ、やべぇぞおい(意訳)」ということで、その呪いを解く方法をあの手この手で探るという展開。
そらそうや、命がかかっとるんや。
勝ちたいんや。
7日後に死ぬオレ。
地獄に堕ちた野郎ども。
で、物語は意外な結末へ。。

原作の正規の続編としては、
長編の「らせん」「ループ」「エス」「タイド」の順で続きがあり、
「バースデイ」という短編集があったりするのだが、(これらもそれぞれおもしろいのだが)
やはり「リング」単体でのおもしろさが群を抜いている。しっかり風呂敷も畳んでいる。
続編は別に読まなくてもまったく支障はない。
(デビルマンの後のバイオレンスジャックみたいなもんだ。違うか。)
「ループ」の星一徹ちゃぶ台全ひっくり返し的アクロバット展開は味わってもらいたい気もするが。

深町秋生「果てしなき渇き」
貴志祐介「黒い家」
横溝正史の金田一耕助シリーズ
らへんが好きな方には是非読んでもらいたい。
(合わなかったらすまん)

で、鈴木光司先生、「ユビキタス」(リングシリーズの最新の続編)の執筆再開はまだですか?(オチ)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年5月24日
読了日 : 2020年5月24日
本棚登録日 : 2020年5月24日

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