一人の女性の口から語られる、ある美しい女をめぐる愛憎劇。関西弁だからこそ出せる味が、ドロドロな内容に色っぽさと上品さを与えている。
ただ、園子が光子に惹かれ、のめり込んでいく過程の心理描写が意外に少なかったような。「綺麗な人」というだけで禁断の関係になるのは、少し現実味に欠ける。既婚女性が同性に恋をするというのには、もっと複雑で特殊な感情があるのではないだろうか。
同性愛を描いたというわけではなく、ただ純粋に、女性の美に翻弄される愚かな人間の姿を描いた作品なのだと思った。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2014年2月26日
- 読了日 : 2014年2月14日
- 本棚登録日 : 2014年1月31日
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