表題の『走れメロス』は読んだことあるしなぁ、と手に取らずにいたけれど、名作ぞろいの短編集だった。
特に面白かった二編。
『駈込み訴え』
キリストを裏切るユダが主人公。宗教をネタにして書くのって勇気がいるだろうな。しかし最高に面白かった。長編恋愛小説にもなりそうな内容が、ユダの独白のみで一気に語られる。それでいてキリストの息遣いまで伝わってくる。このスピード感が太宰治だなぁと思う。
『女生徒』
女生徒が主人公で、これも独白体。数年前まで女生徒だった私は痛いほど共感できた。共感してしまうことがちょっと恥ずかしい。太宰治は心に秘めておきたい心情を捉えるのが本当にうまい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2014年9月5日
- 読了日 : 2014年9月1日
- 本棚登録日 : 2014年8月8日
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