オリクスとクレイク

  • 早川書房 (2010年12月17日発売)
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本棚登録 : 305
感想 : 33
4

ディストピア三部作の第1作らしい。
貧富の格差が増し、金持ちのエリートは囲いにしきられた区域に住んでいた世界。しかし、あるとき伝染病が蔓延し、世界は瞬く間に破滅におちいってしまう。
ただひとり生きのこった〈スノーマン〉が、日々をどうにかしのぎながら、かつてジミーと呼ばれていた自分の半生と、人類がここに至るまでの経緯を回想する物語。

どうも致死性のウイルスは、ジミーの親友であった天才科学者オリクスが開発して世界中に配布したピルに仕込まれていたらしいのだが、それが事故だったのか意図されたものだったのかもよくわからない。

でも2003年に原作が書かれたこの作品が、実際にコロナ渦を経験した20年後の今読んでも、絵空事どころかきわめて現実感をもって迫ってくることに驚かされる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2023年12月27日
読了日 : 2023年12月27日
本棚登録日 : 2023年12月27日

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