慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2011年6月26日発売)
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感想 : 17
4

才能ある人材が、ある時期に集中して生まれることがあるという。
私は、才能ある人材が、集中して顕在化する時期というものがあるのではないかと思うのだが、まそれはさて置き慶応三年。つまり明治という年の始まった年に、後世に「この人」と謂われる秀才たちが集中して生まれた。
漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨。
残念ながら著書を読んだことがあるのは漱石だけかな。斉藤緑雨に至ってはその名前すら存じ上げませんでした。

それにしても、近代文学の基礎を築いたこの七人が同じ年に生まれたとは。

彼らの、それぞれの歩みを追うことによって新しい形の近代文学史を描いた一冊。

と、言っても文庫版にして740ページを費やして、明治27年日清戦争開戦直前でこの明治文壇史は突然終わってしまう。
坪内さんのあとがきによれば「飽きてしまった」とも「誰か一人でも死なせてしまうのが悲しくなってしまった」とも。

でも子規の最後、明治35年までは描いて欲しかったなぁ。

子規だけはNHK-TV「坂の上の雲」の影響で香川照之さんのイメージばかりが浮かんできました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年9月18日
読了日 : 2011年9月18日
本棚登録日 : 2011年9月18日

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