謎解きの鍵は"あの頃"に戻ること
若手作家5名による学園アンソロジー。青春真っ盛りの彼・彼女らを取り巻く日常の謎に、素人探偵たちは果敢に挑んでいく。
良かったのは、鵜林伸也「ボールがない」と梓崎優「スプリング・ハズ・カム」。「ボールがない」は、高校野球部が練習中に消失したボールの行方を追う。荒削りな印象を受けたが、野球部員の一生懸命な姿が伝わってくるし、爽やかで後を引かない結末がぴったりはまっていた。「スプリング・ハズ・カム」は、卒業から15年後の同窓会の場で、卒業式に起きたある事件の謎に迫る。他の4作品とは趣が異なるが、話の出来としては特出していた。本書の締めくくりに相応しい作品だったと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年12月10日
- 読了日 : 2015年12月
- 本棚登録日 : 2015年12月5日
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