ハゲタカ(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2006年3月15日発売)
4.06
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本棚登録 : 4035
感想 : 447
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 とても面白かった。金融は興味があっても、なかなかとっつきにくいところがあったのだが、ストーリー形式で専門用語も解説してくれていたり、調べながら読めばその使われ方が分かったため、とても勉強になった。
 ある目的のために、ハゲタカファンドを手段にして戦う主人公の一人鷲津。ビジネスを行う中で心が乾き、その渇きに対して早朝の散歩やいろは坂での危険なドライブでバランスを取ろうとしている姿が印象的だった。
 また鷲津以外の主人公、日光ホテルの令嬢である松平、元銀行マンの芝野のストーリーもそれぞれにドラマ性があり、それら3人の主人公のストーリーがいくつかの接点を持っていく様子がとても面白かった。特に芝野に関しては、自分の仕事のスタイルに対して違和感を持ちながらも必死で頑張り、娘や大切な友人を上手く大切にできないもどかしさに対してとても共感した。下巻が楽しみ。

最後に印象に残った台詞を2つ。

"感傷に浸っていても金儲けはできない"鷲津
"ビジネスの一番の失敗の原因は人だ"鷲津

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感想投稿日 : 2012年8月5日
本棚登録日 : 2012年8月5日

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