硝子戸の中 (岩波文庫 緑 11-2)

  • 岩波書店 (1990年4月16日発売)
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本棚登録 : 331
感想 : 39
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夏目漱石が好きな方から、よく勧められるのが『硝子戸の中』だった。

当初、私は漱石は読まない。という変な意地を持っていて、随筆なんてとてもと思っていた。

そんな私を変えたのは『それから』との出会いである。なので、この機会に数冊読んでみることにする。

読み終わった感想として、今の私にはまだここに至らないな、が一番である。
私には、ふとした死を受け取る機会が全然ない上に自分を省察する時間もない。

ただ、漱石が死を尊びながらも生を説き、そんな自分の心中を半信半疑で見つめている。
この文が、ひたすらに残った。

自分を振り返る機会に恵まれたとき。
私も漱石のように、明るい部分を照らし出せたら良いと思う。
確かに人は苦労を重ねて、そんな話に共感や同情がゆきがちだけれど。

暖かい光で春を感じられるような心が残っていれば、それが幸せであるように思う。

ちなみに私は若冲の鶏は大好きである(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2013年
感想投稿日 : 2013年4月21日
読了日 : 2013年4月21日
本棚登録日 : 2013年4月21日

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