ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2016年3月24日発売)
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感想 : 37
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正しさと信念は必ずしも噛み合うわけではない。
けれど、絶対的な正しさより、その人の持っているひたむきな思いに、人は惹かれるものなのかなと思わされた。

「清貧」という言葉は、日本人好みのワードだ。
自らの給料の大半を貧しい人々に与え、モノを必要以上に持つことや、便利さに目が眩んでしまうことを毛嫌いする姿は、読んでいて好ましく感じる。

だからこそ、政治家としては異端なキャリアも、その生活も受け入れられていく。

難しいのは、ホセ•ムヒカのような大統領がありふれることはない、ということなのかもしれない。
人気を得られるのであれば、真似をすればいいのに、そうはならないのは、何故だろう。

たとえば「清貧」であることに心惹かれても、それは理想に対する憧れに留まってしまうのは、何故だろう。

そこに、誰かの発するひたむきさが関係しているのかもしれない。

「私たちは素晴らしい世界に生きているが、必ずしもその素晴らしさが見えているわけではない」

「人間は本質的には社会的な生き物で、時とともにエゴイストで野心的になる。これが、現代の人間が抱える不安なのだと思う」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2021年
感想投稿日 : 2021年6月13日
読了日 : 2021年6月13日
本棚登録日 : 2021年6月13日

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