授乳 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2010年4月15日発売)
3.20
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本棚登録 : 2317
感想 : 169
5

あああ、描かれてしまった、というショック。

作者をイチオシしている同僚から、最初はここから始めるべき、と貸してもらって。
もう、一気読み、息もつかせぬほどだった。

いや、そして、共感するって言ったら、きっとドン引きされるんだろうな。
先日読んだ本に、人間の感覚の中で主要なものは触覚であるという記述があった。
女の子がぬいぐるみに執着心を持つのは何故か。
ぬいぐるみでなくとも、お気に入りのタオルがないと眠れないといった話も聞いたことがある。
私の場合は、蠱惑的な触り心地に依存していたのだと思う。

それが一般的なものかどうか分からないけれど、ホシオとムータがさらけ出した首筋に触れるシーン。ホシオの毛の描写の多さ。
そんなところに、うっとり、の共感を覚える。

極めつけは、関口要二。
何もかも許され、甘やかしてくれる、という現実離れした世界を一緒に作り上げてくれる存在。
そら、涎も出ますわ。
いわゆる、オウジサマなわけです。
でも、オウジサマは決して現実世界にいなくても、女性はOKなわけです。
むしろ、閉ざされた世界で、私が他の何にもならなくて良いシチュエーションでのオウジサマたるや!

そういう世界に、男性はスリルを求めるのかもしれないけれど、そういう世界だから安心して浸れる約束が欲しかったりする。

授乳も然り。
あああ、この人ほんとダメだよね、仕方ないよね、ゾクゾク……!って、あれ、しません?(笑)

そんなわけで、あまり赤裸々にレビューするのも恥ずかしいのだけど、自分の見せたくなかった、でも抱えてきた部分を、異色な表現ではあるけれど突っ込まれて、ドキドキしていたのでした。。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2016年
感想投稿日 : 2016年8月6日
読了日 : 2016年8月6日
本棚登録日 : 2016年8月6日

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