珈琲と煙草

  • 東京創元社 (2023年2月13日発売)
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本棚登録 : 291
感想 : 22
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小説とエッセイと観察記録が入り混じっているのだが、その区分けの曖昧さが面白い。

シーラッハが弁護士だということを初めて知った。
事実は小説よりも奇なりという言葉があるが、裁判というのは、言い方は悪いけれど、類稀なるドラマが展開されている場と言えるのではないか。

仕事で、裁判の傍聴をしたことがあるのだが、その人が「語られる」こと、そしてその「語り」を聴いている当事者がいる空間。
これを、私自身はどんなスタンスで聴けばいいんだろうと、戸惑ったことを思い出した。

この作品では、誰もが震撼するような事件が扱われているのではない。
事実があり、そこに誰かが、何かが解釈を施すことによる「え?そういうエピローグなの?」と首をかしげる。そんな違和を、ポンと、置いていく。

相変わらず面白い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2023年
感想投稿日 : 2023年2月26日
読了日 : 2023年2月26日
本棚登録日 : 2023年2月26日

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