パラレルワールド (ハルキ文庫 こ 11-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2019年9月14日発売)
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本棚登録 : 213
感想 : 11
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解説に、パラレルワールドの定義について書かれてあって、まさかシュレーディンガーの猫に繋がるとは思っていなかった。
生きているか、死んでいるか、箱を開けるまでは未確定の事象。
それは、生きている世界Aと、死んでいる世界Bの共存とでも言うのだろうか。箱を開けた瞬間に、世界は決まる。

さあ、どちらに?

この作品では、そんな生きている世界Aと、死んでいる世界Bの両方を観測し得る存在が登場する。
作者が「東日本大震災を対象とした英語によるチャリティアンソロジーのために執筆した」と書いているように、豪雨と地震によってダムが耐えきれず壊する所から始まり、人々は深く傷つく。

観測者の可能性という点では、この話はよく作られているのだけど、未曾有の大災害の中で、世界軸さえ狂ってしまった現実として読むならば、もっと違ったスポットの当て方もあったのかなとも感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2019年
感想投稿日 : 2019年9月16日
読了日 : 2019年9月16日
本棚登録日 : 2019年9月16日

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