ねじまき鳥クロニクル 全3巻 完結セット (新潮文庫)

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感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹さんの長編の中で一番好きな作品です。

    三冊とおして、なんて面白いんだぁ~~!と感嘆しながら、何度読んだかわからない。
    今回も、ついさっき読み終わったばかりなのですが、主人公の僕を始めとして、登場人物それぞれに対して思うことはたくさん・・・。

    でも、普段からおしゃべりの私で、本に関してもいくらでも感想を言いたいタチなのに、村上作品については急に無口になってしまうという。
    チラッとでも感想を言えば、それがとめどなく溢れてくるような、そしてそれは私にとってあまり嬉しいことではないような気がするんですよね・・。


    だから、いつも、ただ、面白かった!!すごく面白かった!とだけ言ってしまうのだけど、そんな感想があってもいいんじゃないか、なんて、なんか、反則かなぁ。

  • ムラカミ作品は小洒落た演出がふんだんに盛り込まれているけれど、ノーベル文学賞に値するのかというと、大いに疑問がある。「ムラカミハルキが好き」と言うとなにかカッコいい響きがあるだけじゃないか?この本も、ワケがわからないことをウダウダ書いている気がして仕方なかったけれど、ノモンハン戦争についての記述は興味深かった。

  • 失業中で家事をする男、いなくなった猫を探してくれるという預言師、家出した妻、形見の空の箱、ノモンハン戦場での経験、自宅療養の女子高生、妊娠についての回想、枯れ井戸の底、首吊り屋敷での秘密の治療、満州の動物園、政治家になった義理の兄。

    それぞれが経験するちょっとシュールで不思議な長い話が積み重なって、謎はすっきりとではなく何となく解けたようで。でもついつい引き込まれてしまう。

  • 2013年10月20日
    正直、私には村上春樹さんの小説は意味不明なことがほとんどなのですが、この小説は、割とわかりやすかったように思う。と言っても、私などの頭では、村上さんの意図の1/100も理解できてないだろうけどね。

  • 村上春樹作品を初めて読んでみた。読んでみて、様々な伏線から最後まで読ませたくなる魅力が分かった気がする。この作品も人間の深い黒い内面を見せて物語を綴っているように感じる。もう何作か読んでみて世界観を掴んでみたい気がする。

  • 学生時代にまったく受け付けなかった村上作品。大人になったら感じ方が変わるよ、と勧められてリベンジ。

    昔は第1部の半分も読めなかったけど、とりあえず全部読めた…ですが、なんでしょうか、村上作品を読んでいると、だんだん気持ち悪くなってくるんですよね。本当に、読み手を選ぶ作家さんですね。

    主人公にもまったか感情移入できなかった。
    途中からは、もう井戸でもどこでも入っててくれ、と思ってしまいました。

    私は好きにれませんが、人気作品をとりあえず読み切れてよかった。

  • 文体が難しくて頭に入ってこず1巻の途中で断念。残念、、

  • 「多層的に張り巡らされた伏線と舌を巻く構成力」
    「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」に続いて読んだ、村上春樹の再入門作品。淡々と静かに少しづつ狂っていく、歪んでいく、壊れていく日常と、いっけん何の脈絡があるのか? どこでどう繋がることになるのか分からないエピソード。それらが話の進展とともに繋がり、大きな物語を構成していく様に、久しぶりに時間を忘れて没頭する作品だった。Nine Inch Nails の Ghosts I-IV が BGMにぴったりだった。
     気軽に読める作品ではないが、じっくりと作品と向き合う価値のある作品。

    追記
    Blankey Jet City の「悪いひとたち」を久しぶりに耳にした際に、ねじまきのコトが思い浮かんだ。直接的なつながりはないけど、自分の中で何かが繋がった。そしてそれは心地よいものだった。

  • ブンガク
    かかった時間600分くらい

    再読。
    クミコ、猫のワタヤ・ノボル、人間の綿谷ノボル、本田さん、加納マルタと加納クレタ、宮脇さん、笠原メイ、間宮中尉、井戸、牛河、赤坂ナツメグ、赤坂シナモン、獣医、皮剥ぎボリス、顔のない男、謎の女。

    年代的な、または非年代的な「物語」が絡み合って、なんとなく整合性をもって世界をつくる。この作品は、やっぱり村上春樹の最高傑作だと思う(「騎士団長殺し」は未読だが)(あっ、最高傑作は「1Q84」かな?)。

    結局、加納マルタも加納クレタも笠原メイもクミコなのかもしれない。ナツメグとシナモンのクロニクルのように、岡田亨はクミコとだけ、クロニクルを編み上げることができるし、それが「他人が通り過ぎるだけ」ではない、生きる意味だとか存在価値だとか、なのかもしれない。要するに、物語を編むことが。だからみんな物語を編むのだ。この作品においては。

    以下思ったこと。

    猫のワタヤ・ノボル(後のサワラ)は、「羊」におけるイワシ。
    笠原メイは、名前は「ダンス」の娼婦のメイ。本質的にはユキだな。未成熟の女の子の神話的な価値。そういやメイは処女だな。マルタやクレタよりも、ずっとずっと巫女的なのかも。
    本田さんは、覚えていないが「カフカ」に出てきたような…
    牛河は「1Q84」で重要な(私にとっては意外な)役回り。
    娼婦のクレタ。岡田亨の感覚で言えば、ナツメグも娼婦。体を明け渡して何かとアクセスすること?このへんは田口ランディ的でもある?
    皮剥ぎボリスと綿谷ノボル。大きな暴力だが、質は異なる。
    綿谷ノボルは、「沈黙」の青木(だっけ?)だな。
    壁を抜ける、異空間としてのホテル、そこに導く存在(「羊」ではキキ、「ダンス」ではユミヨシさん、「ねじまき鳥」では謎の女、たしか「世界の終わり」では太った女の子)
    男性はすごく実際的。女性とのほうがコミットしている。

  • 夢が繋がっており、ラストが静かに熱い。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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