しらたまを作っている夜中、失踪して3年経つ夫が配膳台の向こうの暗がりに立っている、から始まる。ホラーでもなく夢想でもなさそうな感触で、訥々と交わす夫婦の会話ぶりはなんとなく川上弘美の著作を思い出させる。
蟹に食べられて身体は無いと言い切る夫と、死んでから夫が辿ったという道を共に旅する妻の旅路。
すべての描写が美しく感じられるから映像に向いてるんだろうなと思ったらとっくに映画化されていた。
誰が演じたのか調べないままに読んで良かった。(ちょっとイメージ違う)
ずっと「死」が近くにいる、美しくも寂しい小説だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月21日
- 読了日 : 2024年1月21日
- 本棚登録日 : 2024年1月21日
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