著者自身にとっての癒しや区切りのために書かれた本だと思う。お疲れさまでした。
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"悲しいというのはない。悲しくない。後悔もしてない。早すぎたとは思わない。意外でもなかった。悲しいというのではない。ただたんに父の死に顔やからだを見ていると、子どもだった頃の父が思い出されてきて、なつかしいのである。なつかしさのあまりに涙が出る。涙を出し過ぎて、顔は腫れ上がり疲れ果てている。なつかしいから、うれしいのかというと、そうではない。人一人、私にとってはすごく意味のあった人が一人いなくなって、ぽかんと空いている。そこに自然に流れ込むように、ただ、ただ、涙がこぼれていくような感じである。"(p.162)
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2021
- 感想投稿日 : 2021年2月2日
- 読了日 : 2021年2月2日
- 本棚登録日 : 2021年2月2日
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