三月は深き紅の淵を (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2001年7月13日発売)
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本棚登録 : 11688
感想 : 1117
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恩田陸さんの少し不穏な話がとても好きなので、理瀨シリーズはとてもツボです。
最近「薔薇のなかの蛇」を読み終えたところなので、久しぶりに読み返してみました。
驚くことに1章~3章についてはほぼ忘れていて(・・・。)新鮮な気持ちで読むことができました。

全4章からなるこの話は、全ての章が「三月は深き紅の淵を」というタイトルの小説にまつわる話になっています。
2章を読み始めたときは混乱しました。テイストが全然違うし、でも「三月~」の話だし・・・と。でも3章でなんとなく意味がわかり、4章ですっきりしました。
個人的には理瀨がでてくる4章が一番好きです。
恩田陸さんご本人を思わせる女性の一人旅の様子と、湿度の高い分厚い雲で覆われているような学園の話が交互にやってきて、そのギャップにぎりぎりついていく感じがしました。
「薔薇のなかの蛇」の理瀨が大人になっていたので、とても感情豊かで幼い理瀨が、とても可愛らしく思えました。
この終わり方は「麦の海に沈む果実」への期待が高まります!

また、全体を通していろいろな作家さんや本が出てくるのも面白かったです。
その中の本、いつか全部読んでみたいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年6月29日
読了日 : 2023年6月29日
本棚登録日 : 2023年6月29日

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