児童施設で育ったということ自体は別段驚くべきことではない。施設の子の親に施設の出が多いというのも常識。不利が不利を呼び、あきらめがあきらめを呼ぶ袋小路が日本のいたるところにある。いろんなことをあきらめて感情が表れなくなった目。半透明のセロハンテープで覆われたような眼。彼らの目はどこにもピントが合っていない。いつも虚ろ。そんな中で起きてしまった大事件。起きてしまった出来事に祈りは通じないかもしれない。それでも、吐く言葉だけは前向きにしたい。大丈夫。みんな大丈夫。そんな言葉に救われた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2018年10月20日
- 読了日 : 2018年10月20日
- 本棚登録日 : 2018年10月20日
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