「教え方」を議論する目的は、どういう取り組みが「子どもたちにとってよい」のかということを競い合うことにある。しかし、どうも「教組つぶし」とかそういうファクターが常につきまとう。
本書で取り上げる都内の養護学校における知的障害者への性教育を巡るこの一連の事件は、「産経新聞vs教組」という長年続く対立に知的障害者の性教育が巻き込まれた例である。教委も含め、攻撃する側からすれば、教員側を「異常」とラベリングさえすればよく、知的障害者の将来のことなぞどうでもよいのだろうと思える。
結局、養護学校で実施されていた教育手段がどう効果的だったかとか、どう改善すべきかといった冷静な議論とはかけ離れてしまったことで、知的障害者への性教育の質を向上させる機会をも逸してしまった。
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カテゴリ:
障害・障害者
- 感想投稿日 : 2009年10月11日
- 本棚登録日 : 2009年10月11日
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